はじめに
最近は読者の中から「こういった資格について紹介して下さい。」という要望をうけることが多い。特にここ一ヶ月ほどいろいろな大学・短期大学でガイダンスなどを実施することが多かったが、それを通して、非常に多くの人が資格試験について関心を持っており、かつそれらの人の受験上の悩みも千差万別であることがよく分かった。
そこで、その中でも要望の多かった「飲食・料理に関する資格」を今回のテーマとして採りあげることとする。女子大生の中には履歴書やエントリーシートに「趣味は料理です」ということを書く人が多いようだが、これを機にその趣味を「資格の取得」という形で実証してみてはいかがでしょうか。
以下、資格ごとに個別に書くこととする。
1.調理師
「調理師はいわば調理のプロであり、都道府県知事から調理師免許を受けた者だけに認められた称号である。従って、料理の鉄人といえども、免許を受けていなければ調理師と名乗ることはできない。国家資格であり、一般的に評価も高い。
調理師となるためには、二年以上の実務経験を経て調理師国家試験に合格するか、大学・短期大学や専門学校などの調理師養成施設を卒業することが必要である。最近は女性の進出も目立っており、資格取得後「ふぐ調理」や「製菓」などさらに専門的にな分野に進んでいく人も多い。
2.栄養士・管理栄養士
栄養士は、食品の栄養管理に関するアドバイスをするスペシャリストであり、管理栄養士は栄養士業務の中でも特に複雑・困難なものを行う、いわば上級資格である。ともに国家資格であり、現在では栄養学科など特定の大学や専門学校を卒業しなければ資格を取得することができない。栄養士は卒業後すぐに資格を取得することができるが、管理栄養士は国家試験に合格しなければならない。
3.家庭料理技能検定
この資格は、家庭料理の技術を測定するものであり、一級から四級までわかれている。花嫁修業として挑戦する人も多い。料理を趣味とする人は、それを実証するために受験してみると良いであろう。
試験は年一回秋に行われ、筆記と実技の双方に合格しなければならない。たとえば、四級の実技ではリンゴの一皮むきが、一級では栄養バランスなどを考えた一食の献立を作ることなどが出題される。
4.ソムリエ・ワインエキスパート
テレビドラマなどで採りあげられたおかげで、最近よく耳にするのがこの資格である。ソムリエは五年以上の実務経験がなければ受験することができないが、ワインエキスパートは素人でも受験することができる。
筆記試験と実技試験があり、ワインに関する知識全般が問われる。興味のある人は問題集などが販売されているので参考にすると良い。合格率は三割から四割程度である。
5.きき酒師・ビアテイスター
民間資格であるためにあまり耳にしたことがないかもしれないが、お酒が趣味だという人にとってはもってこいの資格である。日本酒・ビールというそれぞれの分野で、料理にあったお酒の選択や、おいしい飲み方などをアドバイスするのが仕事である。
両資格とも筆記試験と口頭試問があるが、試験のレベルはそれほど高いものではない。合格率は平均で七割から八割程度と高く、近年は趣味として挑戦する人も多い。
まとめ
以上見てきたように、飲食・料理に関する資格だけでもさまざまなものがある。今回は紹介できなかったが、この他にも「ティーインストラクター」「フードコーディネーター」「製菓衛生師」をはじめたくさんのものがあり、それぞれの分野で活躍している人も多い。
いずれにせよ、料理というのは毎日の生活に不可欠なものであるにもかかわらず、これに関する資格をもっている人は少ないので、履歴書でアピールしたり、友達にちょっと自慢できる資格がほしいという人は、是非挑戦してみるとよいであろう。
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