はじめに
民間資格とは民間の営利団体などが任意に認定する資格である。修業制限など法律上の規制がまったくなく、誰でも自由に資格を与えることができるのである。民間資格の中でも優良な資格もたくさんあるが、現実的にはそうでないものも多数ある。相当悪質な金もうけの手段として「資格がとれる」と謳っているいわゆる「資格商法」も世の中では広く存在する。
このように民間資格は、国家資格や公的資格に比べて、評価が低いのが一般的である。ただし「国家資格は全て良い、民間資格は全てダメ。」という一方的な見解を信じこんでしまうのも、必ずしも良いとはいえない。例えば、国家資格の中でも中央省庁の公務員の天下り対策として設置されたとしかいえないようなものもあり、これらに対する社会の評価が必ずしも正しいとは言えないのが現実である。
逆に、知名度の高い民間資格に関しては、国家資格と同様の信頼が社会からなされている。例えば、IT関係のコンピュータ資格やTOEICなどの外国語に関する資格などはその一例といえよう。そこで今回は「取得して価値のある民間資格をどのようにして判別するか」について検討することとする。
1.類似の評価の高い国家試験が存在しないこと
既に国家資格がある分野に関する民間資格については、社会的に通用性がほとんどないのが実情である。そればかりか、国家資格の根拠法で該当する職務についての独占業務を規定している場合が多く、こういった法律に抵触するおそれすらあるのである。従って、民間資格を取得しようとする場合には同じ分野において類似の国家資格があるかないかを必ず調べておくべきである。
2.資格取得のために一定の努力を要すること
資格は一定の技術や能力だけではなく、その資格を取得するために費やした努力をも評価するものである。従って、お金さえはらえば取れる資格や、一定の書類を提出すれば取れるような資格では一般的に評価の高い資格とは言えないであろう。
3.資格取得の方法が公開されていること
資格の中には特定の通信教育や講習会を受講しなければ受験できないものもある。しかし、このように制限された人間しか受験できないような資格では、広く一般的に通用するとはいえないであろう。できる限り、学歴・年令・性別など受験資格に制限のない資格の方が評価が高いといえる。
その資格に一定の知名度があるほど、資格は自分に対する評価を高めるために取得する訳だから、その資格について一定の知名度、全国的な普及度がある方が良いに決まっています。そこで、資格試験を受験しようと思ったときには必ず資格ガイドの様な本で、その資格の受験者数や知名度等を調べてみると良いであろう。また、インターネットなどで資格名を検索をかけて「どのような人が取得しているのか」調べてみるのも良い。
まとめ
現在の資格社会の中で半数以上が民間資格であり、その存在を軽視することはできない。そこで、皆さんとしても、上手に民間資格を選び、自分のキャリアアップ・レベルアップに役立てていただきたい。
民間資格の中にも「ダイヤの原石」と言えるような評価の非常に高いもの、皆が取得を熱望するようなものも存在する。これらについてはむしろ、国家資格よりも評価が高いといえる。民間資格も上手に利用したいものである。
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