はじめに
近年では教育の分野に関しても国際化が一層進み、アメリカ・イギリス・フランス・オーストラリアなど諸外国に留学を希望する学生が多い。実際に短期留学などの過程をカリキュラムの中に取り入れている短期大学・大学も少なくない。
留学の分野は社会人にも普及し、現在ではMBA(経営学修士)の取得を希望して、海外の大学院に留学するビジネスマンも多い。また、米国公認会計士(CPA)や米国税理士(EA)の取得を希望して留学をする人も年々増加している。
しかし、御存じのように、正規に海外の大学や大学院に留学する場合には、前もって留学資格試験を受け、合格しなければならない。そこで、現在日本で実施されている海外留学の為の主な資格試験を取りあげ、簡単にその試験内容を紹介することとする。
1.TOEFL
Test of English as Foreign Languageの略で、英語が母国語でない外国人の為の英語能力を判定する試験である。アメリカのETSが実施している世界規模のテストで、留学に関する数ある資格の中で最も有名なものである。
試験はヒヤリング、文法、読解・語意の3部門からなり、月に一度世界180カ国以上の地域で同じ日に実施されている。TOEFLの結果は、アメリカのほとんどの大学・大学院が判定基準の材料として採用しているので、まずはこれに挑戦するというのが第一歩となる。
2.SAT
Scholastic Assessment Testの略で、次のACTと並ぶ短大・大学のための入学学力テストである。これはアメリカの高校生が進学に際して受験するものである。テストは英語・数学からなるものと、アチーブメントテスト式のものの2種類がある。SATを受験する留学生の場合、志望する大学によっては試験の結果にTOEFLの成績が加えられて総合評価をするところもある。
3.ACT
American College Testの略で、前記のSATと同様、アメリカの短大や大学への入学志願者のための適正テストである。本資格試験は世界共通の日程で実施される。
試験は、英語、数学、読解、理科の4科目からなり、どの科目も多肢選択式で出題される。基礎的な知識の有無が評価されるので、それほど特別の準備の必要もなく、気軽に受験することができる。
4.IELTS
International English Language Testing Systemの略で、主にイギリス、オーストラリア、ニュージーランドにおいて留学希望者の英語力の証明として用いられるテストである。多肢選択形式の問題の少ない、厳しい試験である。
試験は、リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの4科目からなるが、大学留学の目安としては最低限「バンド6.5」の確保、大学院留学の目安としては「バンド7.5」を確保しておきたいところである。
5.GMAT
The Graduate Management Admission Testの略で、大学院の経営学過程に入学するための試験である。アメリカのMBAの取得を目指す人は、まずはこの試験を受けなければならない。
試験は英語と数学の2種類からなり、英語では読解力、論理能力、文章力が試され、数学では、基礎的な数学の技能と初歩的な数学概念などがテストされる。試験は全てコンピュータで実施され、もちろん日本でも受験できる。
6.GRE
The Graduate Record Examinationの略で、コンピュータを使うジェネラルテストとマークシート方式のサブジェクトテストの2種類からなる。この資格試験も、主にアメリカの大学・大学院の留学用に用いられる。
まとめ
一以上のように留学に関する資格試験は多数あるが、結局のところ現実に留学を志している大学・大学院に対してどのテストで英語力を判定するのか、問い合わせしてみることが重要である。大学・大学院によって用いられている試験は異なり、最後は自分で調べるしかない。
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