はじめに
本来、「資格を持っている」というのはその道のプロであるという意味でした。ちょうど野球やサッカーなどにプロがあるのと同様、その能力や技術が秀でているために、「その分野における仕事のプロ」というのが資格取得者の特性でした。
現代社会においては、各種検定試験などの登場により、プロというよりは、その道の素養がある、教養があるという認定を行う資格試験もたくさんあります。たとえば、実用英語技能検定や秘書技能検定、パソコン検定などがこれにあたるでしょう。素養や資質という面ではこれらの資格の取得者も一定の評価を受けることができます。
現代におけるプロ資格
しかし、現在企業が直接的に評価する資格、採用に直結する資格というのは依然として「プロフェッショナルとしての資格」なのです。やはり、企業の採用担当者は、即戦力となるような学生を優遇する傾向にあります。そこで、自分の即戦力としての能力を売り込むことのできる、業界に特有の資格を取得するというのも一手です。
まずは、企業で有資格者を一定人数確保しなければならない資格というのがあります。たとえば不動産業者においては、宅地建物取引主任者が従業員中5人に1人以上の割合でいなければなりません。旅行業界における国内・一般旅行業務取扱主任者や、建設業界における建設業経理事務士にも類似の制度があります。これらの資格の有資格者は、就職の際にライバルに一歩差をつけることができるでしょう。
次に、いわゆる業務独占資格があります。たとえば、税理士・司法書士・不動産鑑定士・弁理士・技術士などを取得して、独立するのではなく、そのまま企業に就職して資格を活用する人も結構増えてきています。業務独占資格については、有資格者でなければ業務を行うことができないために、企業内で有資格者(=プロフェッショナル)がいれば心強いものです。もちろん、資格に対する手当も支給されます。
さらに、各種業界ごとにその道のプロとしての資格があります。たとえば、金融業界においては銀行業務検定や証券アナリスト等の資格がありますし、IT業界にはMCPやオラクルマスターなどの資格があります。もちろん、通関士・中小企業診断士・ボイラー技士など、業界を問わず、幅広くプロとして活躍できる資格もあります。
まとめ
以上、いろいろと紹介してきました。ただ、プロフェッショナルといえるためには、単純に資格を取得しただけではなく、その後の継続した努力も必要であることを忘れてはいけません。資格の取得はスタートラインにすぎず、それ以降も同分野について(特に実務に関することについて)、さらなる継続的勉強・努力をしているのならば、大きなアピールにつながることでしょう。
「プロは陰で努力する」というのは間違っていません。企業はこういった努力をちゃんとみてくれます。
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