履歴書の意義
ある会社に対して自分がどのような人間かをアピールする手段として、世界中で広く「履歴書」が使用されている。会社の人事担当者も、履歴書を書面審査の目的で書かせるわけではない。もしそうであるならば、その後に面接試験を行う必要がないはずだからである。履歴書というのは、あくまでも面接時における話の題材を提供するものにすぎないのである。そこで、今回は履歴書の資格欄をどのように使えばよいかについて考えることにする。
資格欄の積極的活用
面接試験において、受験者が緊張してしまって自分をうまくアピールできない場合が多い。しかし、事前に何を問われるか少しでも分かっていれば、その他の事項についても、比較的落ち着いて話すことができるであろう。
履歴書では、趣味や特技の欄などと区別して、わざわざ資格の欄が設けられている。これは、この資格欄も自分の個性をアピールする手段として最大限利用してもらうためである。もちろん、そこに掲げる資格は提出先の会社に関連するものである必要はない。前述のように、履歴書は話の題材となるにすぎないのである。従って、職務に直結する資格で積極的にアピールできない場合には、この資格欄をおもしろい話題を提供するという意味で利用してみるのもよいだろう。
ただ、資格試験には受験資格を限定するものが多く、また実技試験を課すものもある。そこで、誰でも受験でき、しかもペーパーテストのみで取得できるような、一風変わった資格について述べることにする。
話題を提供できる資格の例
たとえば、下記の【1】〜【5】は私の取得した中でも、いわば特殊な資格の一例である。これらを題材に話を進めることにしよう。
【1】秘書検定(1級)
【2】レーダー級海上特殊無線技士
【3】将棋(三段)
【4】米国普通運転免許
【5】潜水士
【1】のように男性でありながら秘書検定などに合格していると、おそらく面接官からは「男性なのになぜ秘書検定を受検したの?」というような質問が想定される。ということで、これに対する答えを面接の前に準備しておけばよいのである。男性の方々も、秘書検定を受験しておくと、話のネタには困らないであろう。逆に、女性はガテン系の資格を持っているとおもしろい話題を提供できるかもしれない。
【2】の資格も「レーダー級」ということで非常に興味を抱くところである(実はあまり大したことはない)。この資格については、「一体何をするための資格なの?」という質問を受けることが多い。確かに資格の名前はすごいが、試験自体は非常に簡単である。実技試験もなく、単純なマークシート試験があるだけである。しかも過去に出題された問題が繰り返し出題されており、合格率も平均して95%以上である。これも是非挑戦してみたい資格である。他にも名前のわりには比較的容易に誰でも取得できる資格は多いので、まず資格の名前をいろいろと見てから何を勉強するかを決めるのもよいかもしれない。
【3】のように趣味を資格に活用するのもよい。しかも「段」という言葉の響きがよく、それだけで何かすごい人のように思えるものである。この種の資格としては、他に、囲碁、柔道、剣道、珠算、電卓、書道など様々ある。ただ、初心者には少しきついかもしれない。
【4】のように、海外資格は必ず面接で話題となる。近年、CPA(米国公認会計士)なども注目されており、国際化が進めば、今後はさらに脚光を浴びるだろう。しかし、これらの資格には一定程度の語学力が必要であり、しかもほとんどが海外で受験しなければならないので、取得しにくいのが難点である。
【5】の潜水士もまたおもしろい資格である。これはスキューバダイビングとは異なり、船底の補修などを行うための潜水資格であり、日給2万円から5万円にもなるいわゆる「金のなる」資格である。しかもおもしろいことに、マークシ−ト試験のみで資格を取ることができるので、極端なことをいえば、カナヅチの人でも潜水士の有資格者となることができる。会社をクビになったときのためにも、とっておいて損はない資格である。
結論
私自身も、今後さらに一風変わった資格を取得していこうと思っている。高校・大学時代に何らかのスポーツをした人は、せっかくだからそのスポーツの審判員資格を取るのもよいだろう。その他、編物、家庭料理など普段の何気ない作業や趣味を活かして資格を取得することができる。
日本には約3,000種類の資格があるので、自分にあったものが必ずあるはずだ。一度自分なりにいろいろと研究した上で、皆さんも積極的にいろいろと取得してみてはいかがかな?
|