はじめに
相次ぐ企業の倒産や経営不信によるリストラなど、先行きへの不安から資格を取ろうという人が増えてきている。たしかに資格は一定の専門知識や技術を証明するものとして非常に有効なものであり、うまく活用すれば、「転職」や「社内でのキャリアアップ」、「独立開業」など、仕事のチャンスがさまざまな方面へと広がっていく。また、現在の仕事と全く異なる職種への転職を希望している人にとっては、希望する職種に関連する資格を持つことで、転職の際に有利にはたらくことも少なくない。
しかし、ただやみくもに資格を取ったのでは仕事に活かすことはできない。実際、なんとなく周囲に流されて資格を取ってみたものの仕事には活かせていない、資格を武器に独立したが思ったほど収入が上がっていない、という人が意外に多いのである。これではせっかく取った資格も宝の持ち腐れとなってしまう。
それではいったいどのようにしたら、資格を仕事、そしてお金へと転換していくことができるのだろうか。今回はこのことについて採り上げることにする。
具体的思考
まず、資格を取る目的を明確にすることが大切である。どの資格を選ぶべきなのか、ということは、自分が独立したいのか、転職したいのか、社内でのキャリアアップのためなのかによって違ってくる。資格を仕事に活かしてゆくには、その業界での経験や知識などが大きく左右してくるので、自分の仕事と全く関係のない資格を選んだとしても、それを活かせるチャンスは限られてしまう。そこで、まずは自分の職歴、得意分野など今の自分にできることを見つめなおし、そのうえで自分にピッタリの資格というのを選ぶ必要がある。それと同時に、資格取得後にそれをどのようして活かしたいのか、という目的意識をしっかりと持つことが大切である
さらに、現代社会において資格を用いてお金をたくさん稼いでいる人は、資格を取る過程というのも大切にしている。例えば、専門学校や予備校などでは、開業や転職に役立つ情報を随時提供しているし、そこでの勉強仲間が独立時のパートナーとなることや開業後の仕事を紹介しあうケースも少なくない。
そして、資格取得後にどのような行動を起こすかということによっても稼げる、稼げないの分かれ道は生じる。社内でのキャリアアップを狙うならばその企業の人事課や総務課に、独立をする場合には知人や関連業者に、とにかく自分が資格を取得したことをアピールすることが大切である。せっかく資格を取得したとしても、周りの人がそれを評価してくれなければ何の意味もないのである。資格を仕事に結び付けるには、まず、資格取得を周囲にアピールすることから始まる、といっても過言ではない。この際、手っ取り早い方法としては、資格を取得するために通ったスクールや資格団体が主催するような交流会や合格祝賀会、勉強会などに参加することがあげられる。独立開業セミナーなどを主催しているスクールや団体もあるので、こういったものも利用してみるとよいだろう。
さらに、ホームページを作ってみたり、地域のサークルや交流会などに参加することも一つの手身近な方法である。こういった人脈から新たなビジネスチャンスが生まれてくることも少なくない。
まとめ
以上見てきたように、たとえ資格を取得したとしても、自分から行動を起こさなければ何も始まらない。資格試験の合格がゴールであるわけではない。これは、新たな世界へ船出するためのスタートラインなのだ。
現在、何かの資格の勉強をされている方は、もう一度自分の最終的な目標を確認してみよう。また、資格を取得したにもかかわらずそれを活用されていない方はもう一度周囲の人にアピールすることから始めてみよう。こういった、緻密な努力がやがて実を結ぶのである。
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