はじめに
「平成の資格王」などと名乗っていると、「どの資格を取るのが将来的に一番ためになりますか」とか、「就職でアピールするには何の資格を取ったらいいですか」とか、「内定はもらったんですが、この後入社前にどのような勉強をした方がいいのでしょうか」という質問をよく受けことがある。先日もリクルート社からの取材でほぼ同じ内容の質問に答えてきたばかりである。私の答えはただ一つ。現在、自他ともに認める「取得すると最もためになる資格」はファイナンシャル・プランナー(以下FPとする)である。そこで、今回はこのFPという資格を紹介することにしよう。
1.FPとは?
FPは、顧客の様々な要望や希望が実現できるように、お金の上手な使い方、ちょっとした資金を大きく増やす方法、税金対策としてやっておくべきことなどをアドバイスする専門家である。例えば、日常生活においていかなる費用が無駄になっているか、どうやったら適正な貯蓄や投資ができるかを、個人や企業に対して提案することが仕事である。
2.FPの魅力
現在のような経済状況の中、少しでも自分の資産を増やしたい、少しでもお金を節約したいと思うのが当然であろう。そのような人に最も役立つのがFPという資格である。
また、学生の人にはあまり実感がわかないかもしれないが、社会に出て給料をもらうようになると、保険・年金や税金などで手取額が大幅に削減されるのが現状である。その削減額を分析し、どうすれば自分にとって最も有利になるのかを勉強するのが、まさにFPの資格取得の勉強なのである。このように、FPは社会に出る前に、特に内定をもらってから勉強すると役に立つ資格といえよう。
3.FPになるには
日本でFPになるための試験はいくつか実施されているが、もっとも知名度が高いのは日本FP協会の実施しているFP試験である。このFP試験では、不動産・税金・保険に関する基本的な知識から、実際にある人のマネープランを設計するところまで、知識が広く問われる。ただし、試験を受けるためには指定された講座や通信教育を受けることが前提となっており、それに沿ってしっかりと勉強していけば、ほぼ合格することができる。
FPの試験は今年度から新制度に改定されるが、昨年までの合格率は約五〇%であり、しっかりと準備をすれば合格はそう難しくはない。
日本FP協会関連の試験には、通常のFP(正式にはAFPという)試験の他、その前段階である初級FP試験や、上級資格であるCFP(米国などでも通用する海外資格)試験などもあり、特にCFPを受験する人は年々増えている。
4.FPの活躍の現状
現在日本FP協会に登録しているFPは約二万人である。それらの者の多くは、金融機関や保険会社などで実際にFPとして活躍しており、FPの知名度を世間に広めている。また、最近では就職活動で内定を得た後に資格取得に挑戦する学生や、定年退職後に老後の資産管理や相続税対策のために勉強を始める年輩の人も多く、今後ますます注目されてくる資格となるものと思われる。
まとめ
以上のように、FPはこれから必要になる資格であり、特に自分の資産管理について自分自身で責任を持たなければいけないこれからの世代の人は、絶対に勉強しておいた方がよいであろう。親戚に「医者」と「弁護士」がいるとよいなどとよくいわれるが、それに「FP」が加えられる日もそう遠くはないかもしれない。
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